会社設立

会社設立の資本金、いくらが現実的?

会社設立で必ずといっていいほど話題に上るのが「資本金はいくらにしたらいいのか?」という問題です。
制度上は1円でも会社は作れますが、実際に事業を運営するとなると、そんな単純な話ではありません。

ここでは、資本金をどのくらいに設定すべきか、
そして「なぜ最低でも数百万円が必要だと言えるのか」を、実務的な視点でまとめました。

税理士が実際に現場で感じている“リアルな判断基準”だと思って読んでください。

会社設立における資本金の役割とは?

資本金とは、会社にとって最初に持って生まれる「体力」です。

創業してすぐに黒字になる会社はほとんどありません。

多くの事業では、最初の1〜3年で赤字を経験するのが自然であり、その期間を乗り越えるための“持久力”として資本金が必要になります。

資本金が小さすぎると、事業の立ち上がりがうまくいっていても、運転資金が尽きてしまうリリスクが急激に高まります。

その意味でも、資本金は「最低限これだけあればいい」という金額より、「これくらいあれば安全に走り出せる」という視点で考えるべきです。

なぜ「1円会社」は現実的ではないのか?

法律上は1円でも問題なく設立できますが、実務では明確にデメリットがあります。

  • 銀行口座の開設が通りにくい
  • 取引先からの信用が弱い
  • 創業融資の審査で不利になる
  • 赤字を吸収できず、すぐに資金ショートする
「資本金が少ない=準備不足」と見られやすいため、いざ資金が必要になったときに動きが取りにくくなります。

資本金はいくらにすべき?税理士が考える最低ライン

融資の通りやすさが大きく変わる理由

創業段階で資金調達を考えるなら、資本金の大きさはそのまま「覚悟の証明」になります。

金融機関は、自己資金をどれだけ用意しているかを重視します。

たとえば、

  • 資本金50万円 → 小規模すぎる、事業の持続性に疑問
  • 資本金300〜500万円 → 自己資金を貯めた努力が評価されやすい
融資を前提にするなら、資本金の額は避けて通れない判断材料です。

創業初期の赤字を乗り越えるための資金的バッファー

多くの事業は、最初の1〜2年は赤字で動きます。
たとえば、毎月20万円の赤字が続くと仮定すると、

  • 資本金50万円 → 2〜3ヶ月で資金が尽きる
  • 資本金300万円 → 1年程度は持ちこたえられる
事業が軌道に乗る前に資金が切れてしまえば、そのビジネスそこで終了です
資本金は「最初の壁」を越えるために必要なバッファーです。

事業規模別によくある資本金の金額帯

実務上、よく見かけるレンジは次のとおりです。

  • 100万円以下:おすすめしにくい
  • 100〜300万円:小規模事業なら最低限
  • 300〜500万円:最も一般的で、融資との相性も良い
  • 500〜1,000万円:BtoB取引や規模感を意識する事業向け
多くの方において、300〜500万円あたりが“現実的な資本金”となっています。

資本金は多ければ多いほど良いのか?注意すべき2つの点

結論として、必ずしも「多いほど良い」というわけではありません。
特に次の2点は押さえておく必要があります。

住民税の均等割が上がる

資本金が1,000万円を超えると、法人住民税の均等割の区分が上がり、毎年の固定費が増えます。

消費税の免税制度が使えなくなる

原則として会社は設立後2年間は消費税が免税されますが、
資本金が1,000万円以上の場合、最初から課税事業者となります。
(インボイス登録が不要な業種では特に負担が増えます)

結論:会社設立では“最低でも数百万円”を目安に

資本金は、会社の信用力・融資の通りやすさ・創業時の持久力に直結します。
制度上はいくらでも設定できますが、事業を続ける現実を踏まえると 300〜500万円程度が最も安全で現実的です。

「少なくても作れるから少なくする」のではなく、「事業を軌道に乗せるために必要な金額」として資本金を考えることが大切です。

資本金の決定は税理士へ早めに相談すべき理由

資本金は、融資計画・設備投資・損益計画と密接に結びついています。
税理士のサポートがあると、無理のない資本金額を早い段階で決定でき、事業を安全に始められます。

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