会社を設立するとき、意外と悩む方が多いのが「決算月をいつにするか」という問題です。 上場企業でよく目にする3月決算や12月決算を選ばないといけないと思っている方も多いのですが、実はまったくそんなことはありません。
決算月は、事業の実態や業務量のピーク、そして税務・会計の負担をベースに「会社にとって最も合理的な月」を選ぶのが正解です。
この記事では、決算月の考え方を実務的に整理しながら、創業者が迷わず選べるよう分かりやすくまとめました。
決算月は3月や12月である必要はない理由
まず強調しておきたいのは、「決算月は3月でなければいけない」「12月にするものだ」というルールは一切ないということです。
たしかに上場企業では3月決算や12月決算が多い傾向にあります。 理由は、株主総会のタイミング、四半期報告、グループ会社の統一など、上場企業ならではの事情があるからです。
しかし、中小オーナー企業にはそんな制約はありません。 自社の都合だけで自由に決めて構いません。
むしろ、3月決算は税理士・会計事務所が最も忙しい時期であり、繁忙期に決算を迎えることで十分なサポートを受けにくくなる可能性があります。
閑散期や在庫が少ない月を決算月にするのがセオリー
決算月をどう選ぶかを考えるうえで、1つ大事な視点があります。 それは、「事業が落ち着く月(閑散期)」や「在庫が減る月」を決算月にすることです。
これには明確な理由があります。
貸借対照表が“スリム”になり実態が見えやすい理由
決算では棚卸資産(在庫)や未収金・未払金などの整理を実施します。 繁忙期や在庫が膨らむタイミングに決算を迎えると、
- 棚卸作業の手間が大きい
- 取引量が多く帳簿が煩雑になりやすい
- 売掛金・買掛金の動きが激しく、月末残高が読みにくい
逆に、在庫が減る時期や業務量が落ち着くタイミングに決算を迎えれば、財務状況がより「素直な姿」で表れるというメリットがあります。
棚卸しや業務負荷が軽くなるメリット
棚卸し作業や取引量の確認が少なく済むため、決算資料の精度が上がりやすくなります。 「決算月は業務が落ち着く月にしておく」が実務のセオリーと言われる理由です。
税理士が対応できない決算月があるという現実
あまり知られていませんが、税理士(会計事務所)によっては「どうしても受けられない決算月」が存在します。
理由は単純で、2〜5月は確定申告や12月決算、3月決算作業の時期で、業界全体としても一年で最も忙しいからです。
そのため、決算の品質を十分に担保できないという理由で、新規の12月決算、3月決算は受けられないというケースが実際にあります。
決算月を選ぶ段階で、依頼したい税理士側の繁忙期も考慮すべきだというのは、意外と見落とされがちなポイントです。
決算月の選定は会社運営に直結する重要な設定
決算月は、会社の運営や税務処理、資金繰りにも影響します。 設備投資の時期、補助金申請のタイミング、税務調査リスクの分散など、複数の要素が関係します。
そのため、決算月が不適切であるが故に、不利益を被ってしまうことも少なくありません。
ピオカルでは決算月の選定段階から相談を推奨しています
決算月は、一度決めると簡単には変更できない「会社の根本設定」の一つです。
ピオカルでは、以下のような観点から最適な決算月を一緒に検討しています。
- 業種ごとの閑散期
- 在庫の動きや棚卸し負担
- 資金繰りや売上の波
- 融資・補助金のスケジュール
- 税務調査リスクの分散
- 税理士の繁忙期とのバランス
まとめ:決算月は“自由に選べるからこそ戦略的に決める”
この記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- 3月決算や12月決算にこだわる必要はない
- 閑散期や在庫の少ない時期が決算に向いている
- 税理士の繁忙期によっては対応できない月がある
- 決算月は会社運営に大きく影響する重要な設定
- 最適な決算月は事前に税理士へ相談することで精度が高くなる