会社設立

株式会社設立の手順でよくある失敗

株式会社設立は、手続きそのものだけを見ると、 ネットの情報を集めれば自分でも進められるように見えます。
実際、登記までたどり着くだけなら、 「できてしまう」ケースも少なくありません。

ただ、実務の現場で散見されるのは、 設立自体はできたものの、後から後悔するというパターンです。
ここでは、株式会社設立の手順の中で、税理士が実務で遭遇する失敗例をご紹介します。

株式会社設立の全体的な流れを先に確認したい方は、
「会社設立の流れを完全整理|準備から設立後の手続きまで」 もあわせてご覧ください。

定款をテンプレートで作ってしまう

大変多いのが、 ネットに落ちている定款テンプレートをほぼそのまま使ってしまうケースです。

定款は、 「とりあえず登記が通ればいい書類」ではありません。

事業目的が狭すぎて、後からやりたい事業が定款上できず、
結局、目的追加の登記をすることになった、という話はちょこちょこあります。

また、 役員の任期も、 テンプレートのままにしてしまい、 後々の実務で扱いづらくなることもあります。

資本金を軽く考えて後悔する

設立時の資本金を、 「とりあえず少額でいいだろう」と決めてしまうのも、 非常によくある失敗です。

資本金は、 ・金融機関からどう見られるか ・取引先にどう映るか ・創業期の赤字を耐えられるか といった点に、思ったより影響します。

実務上は、 「数十万円で始めて、すぐ資金繰りが苦しくなる」 というケースを何度も見てきました。

設立時の資本金については、
「会社設立時の資本金はいくらが適切か?実務的な考え方」で詳しく解説しています。

また、創業期に資金面でつまずかないための考え方として、以下の記事もご参照ください
会社設立と融資の考え方(/blog/establish9)

登記が終わって安心し、税務届出を後回しにする

登記が完了すると、 「会社ができた」という達成感で一息つきがちです。

しかし、実務的にはここからが本番です。

税務署や自治体への届出は、 期限が決まっているものが多く、 出し忘れると後から取り返しがつかないものもあります。

特に、 青色申告の承認申請を出し忘れてしまい、 赤字を繰り越せなかった、というケースはよく見られます。

この通り、株式会社設立後には、税務や会計など実務面の対応も重要になります。
「設立後の税務届出|会社設立後に知っておきたい実務ポイント」も参考にしてください。

役員報酬を適当に決めてしまう

設立直後の役員報酬も、 後悔につながりやすいポイントです。

「あとで変えればいい」と考えてしまいがちですが、 役員報酬は原則として期の途中で自由に変更できません。

結果として、 ・税金が想定以上に重くなる ・生活費とのバランスが崩れる といった問題が出てきます。

よくわからないまま適当にクラウド会計を入れて帳簿がぐちゃぐちゃ

クラウド会計は便利ですが、 初期設定や運用ルールを決めないまま使い始めると、 後から修正が非常に大変な帳簿になります。

実務では、 「一応入力されているが、税務的には使えない」 帳簿を引き継ぐことも少なくありません。

許認可や社会保険を軽視してしまう

業種によっては、 会社ができただけでは営業できないケースがあります。

また、 役員一人だけの会社であっても、 社会保険の加入が必要になる場合があります。

これらを後回しにしてしまい、 後から行政指導や指摘を受けるケースも見られます。

「自分でできる」と「自分でやるべき」は違う

株式会社設立は、 確かに自分で進めることも可能です。

ただ、 自分でできることと、自分でやるべきことは別です。

設立時に一度決めてしまうと、 簡単には修正できない事項も多くあります。

まとめ:失敗しやすいのは「設立後を考えていないとき」

株式会社設立の失敗は、 知識が足りないことよりも、 設立後の運営を想像していないことから起きます。

・資本金 ・定款 ・税務届出 ・役員報酬 ・会計体制

これらはすべて、 「設立後どう運営するか」とセットで考えるべきもので、 設立前に専門家が関与していれば防げるケースも多くあります。

設立をゴールにせず、 その先まで見据えて進めることが、 結果的に一番の近道になります。

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